シエンタは燃費が不安定?フィールダーと比較して見えた意外な差

「なんだか前のフィールダーの方が燃費が安定してた気がする…」
これは、中古で購入したシエンタZグレードに乗り換えてから、筆者が何度も感じた正直な感想です。

実際にトヨタの純正アプリ「My TOYOTA+」で毎回の走行データをチェックしていると、燃費の数値にかなりの波があることがわかります。

調子の良い日は30km/L超えも可能なのに、ちょっと条件が悪くなると15km/Lを下回ることも。

アクセルの踏み方も丁寧に意識しており、重い荷物を積んでいるわけでもありません。それでも燃費がブレやすいのは、以前乗っていたカローラフィールダーとは明らかに違う印象です。

街乗りでは燃費が落ちやすい?

筆者の使い方では、郊外の道の駅を巡るような信号の少ない道路を一定速度で走る場面では、燃費が非常に良くなります。

とくにエコモードのままアクセルを“じわっと”踏んで、一定の速度を維持できるような走り方をすると、燃費計には30km/L台という高い数値が表示されることもありました。

ところが、街中での買い物や用事など、短距離の移動を繰り返す場面では様子が一変します。ストップ&ゴーが続くような運転では、燃費は15km/L台まで一気に下がってしまうのです。

この落差には最初かなり戸惑いました。同じような走行スタイルのつもりでも、シエンタではエンジンの始動が非常に早く、モーター走行の時間が短いのが原因のようです。

例えば、少し強めにアクセルを踏んだだけでも、すぐにエンジンが作動し「ブーン」という音が聞こえてきます。フィールダーではモーターだけでこなせたような場面でも、シエンタでは早々にエンジンが立ち上がる印象です。

これは、車重が重く、重心が高いミニバン設計による負荷の違いかもしれません。小さな坂道や、ちょっとした加速の要求にも敏感に反応してエンジンが動く分、燃費にブレが出やすいのだと考えられます。

つまり、走る環境や使い方によって燃費に「谷」が生まれやすい車。それがシエンタの正直な印象です。

フィールダーと比べて見えたシエンタの特性

筆者が以前乗っていたのは、カローラフィールダーのハイブリッドモデル。全体的にボディが低く、車重も軽いため、日常使いでも安定して20km/L台をキープできていました。

買い物、通勤、ちょっとした遠出など、どんな場面でも燃費の数値に大きなブレがなかったのが印象的で、「燃費が悪い」と感じたことはほとんどありません。

それに対してシエンタは、同じトヨタのハイブリッドとはいえ、車の構造や性格が大きく異なります。

  • 車高が高く、空気抵抗を受けやすいため、高速走行時や向かい風ではエネルギー消費が増えやすい
  • 車重が重いため、発進や加速の際にモーターだけでは対応しきれず、エンジンが頻繁に始動してしまう
  • 3列シートのミニバン設計で、乗車人数や荷物を多く積む前提のサスペンションセッティングになっており、1〜2人乗車ではその重さを持て余すことも

これらの要素が重なって、走行環境が少しでも変わると燃費に大きな差が出やすいというのが、シエンタの特徴といえるでしょう。

フィールダーは「いつでも一定の燃費を出してくれる車」、シエンタは「条件が合えばハイブリッドらしい好燃費を出すが、そうでなければブレやすい車」という違いが、実際に乗って比較して見えてきました。

他のハイブリッドミニバンも燃費は安定しづらい?

燃費のブレが起きやすいのは、じつはシエンタだけの話ではありません。他のハイブリッドミニバンでも、走行環境によって燃費が大きく変動する傾向があります。

ヴォクシー/ノア(ハイブリッド)

2.0Lエンジン+大型ボディという構成のため、条件が良ければ20〜25km/L超を記録することもあります。とくに高速道路やバイパス走行では燃費が伸びやすい印象です。

一方で、都市部でのストップ&ゴーが続くような場面では15km/Lを下回るケースも多く、安定性にはやや欠けます。

ステップワゴン(e:HEV)

ホンダ独自のシリーズ式ハイブリッドを採用しており、エンジンは発電専用、走行はモーター主体という構造。

そのため、郊外や一定速度での巡航では22〜24km/L前後と非常に優秀ですが、頻繁な信号や低速走行が続く街中では燃費が落ちやすくなります。

セレナ(e-POWER)

こちらもモーター走行主体で、アクセル操作に対するレスポンスが鋭く、街乗りでの燃費効率は比較的安定しています。

ただし、坂道が多いルートや荷物を多く積んだときには、エンジンの発電負荷が増えるため、燃費が落ちる傾向も見られます。

主要ハイブリッドミニバン 燃費傾向比較(実走ベース)

車種郊外・高速街乗り燃費の安定性
シエンタ(Zグレード)〜30km/L超15km/L前後ややブレやすい
ヴォクシー/ノア20〜25km/L〜15km/Lブレやすい
ステップワゴン22〜24km/L16〜18km/Lやや安定
セレナ(e-POWER)18〜20km/L18〜20km/L比較的安定

ミニバンの中ではシエンタは優秀?

燃費性能という点で見ると、条件さえ揃えば30km/Lを超えることもあるシエンタは、ハイブリッドミニバンの中でもかなり高水準です。

とくに、平坦な道路を一定速度で走るロングドライブや、郊外でのエコ運転ができる環境では、そのポテンシャルを大いに発揮してくれます。

ただしその反面、燃費は“走る場所・時間帯・アクセルの踏み方”に大きく左右されやすいという弱点も持ち合わせています。

例えば、信号の多い都市部を短距離で何度も止まりながら走るような使い方では、20km/Lを下回るのは珍しくありません。エアコン使用や渋滞時のエンジン作動など、小さな条件の変化でも燃費が大きく揺れる印象があります。

一方で、フィールダーのようなワゴンタイプは構造的に軽く、モーターで走れる領域が広いため、どんな環境でも安定して高燃費を出しやすいのがメリットでした。

そのため、燃費の「安定感」ではワゴン車に軍配が上がるものの、燃費の「最高性能」ではシエンタが勝る場面も多々あるのです。

つまり、シエンタは「使い方しだいで大きく化ける」タイプのハイブリッドミニバン。燃費を意識した運転を心がけることで、長く付き合える1台になると感じています。

まとめ|燃費の“山と谷”を理解して付き合う

「30km/Lいった日はシエンタすごい!」
「15km/Lだとフィールダーのほうが安定してたな…」
そんな感想を抱くたびに、シエンタの特徴をあらためて感じています。

燃費に波があるとはいえ、それは悪いことではなく、走行環境次第で実力を引き出せる車とも言えます。

ヴォクシーやステップワゴンといった他のミニバンでも同様の傾向がある以上、シエンタは「燃費の山と谷を理解して付き合う」ことで、もっと活かせる車なのだと思います。

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