【初心者向け】自賠責保険とは?補償内容・金額・任意保険との違いをわかりやすく解説

車を所有するなら必ず入らなければならない「自賠責保険」。どんな補償があるのか、任意保険とどう違うのかを初心者にもわかりやすくまとめました。

車を所有・運転するうえで必ず加入しなければならない「自賠責保険」。
しかし「任意保険とどう違うの?」「補償はどこまでされるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、自賠責保険の基本的な仕組みから補償内容、保険料の目安、そして任意保険との違いまでをやさしく解説します。

これから車を購入する方や、保険の見直しを考えている方はぜひ参考にしてください。

自賠責保険の証明書には、契約期間や車両番号など大切な情報が記載されています。更新や車検時の確認に役立つポイントをまとめました。

自賠責保険とは?

疑問や質問を抱えて首をかしげる人々をイメージしたフィギュア

「自賠責保険(じばいせきほけん)」とは、正式には「自動車損害賠償責任保険」と呼ばれ、すべての自動車・バイクに加入が義務づけられている保険です。

道路を走る車はすべて対象となり、未加入のまま運転すると「無保険運転」として罰則を受ける可能性があります。

この保険の目的は、交通事故の被害者を救済するための“最低限の補償”を確保することにあります。
加害者が十分な補償を行えない場合でも、自賠責保険によって被害者が必要な治療や補償を受けられるように設計されているのです。

正式名称と目的

自賠責保険の正式名称は「自動車損害賠償責任保険」。1955年に制度が始まり、「自動車損害賠償保障法」という法律に基づいて運用されています。

この法律の目的は、交通事故による人身被害の補償を迅速かつ確実に行うことです。つまり、自賠責保険は被害者保護のための公的な保険制度なのです。

加入していない車は公道を走ることができず、車検も通りません。したがって、自賠責保険は「車を所有・運転するうえでの最低限の条件」といえます。

なぜ加入が義務なのか

交通事故が起きた際、加害者が必ずしも十分な賠償能力を持っているとは限りません。
被害者が治療費を払えないまま泣き寝入りするケースを防ぐため、国が定めたのが自賠責保険です。

つまり、自賠責保険は「誰かを守るための保険」。加害者のためというよりも、事故に遭ってしまった被害者を救済するための制度といえます。

なお、自賠責保険は「対人事故のみ」を補償の対象としており、物損(車や建物などの破損)は含まれません。そのため、実際に運転する際には任意保険と組み合わせることで、より安心して車に乗ることができます。

自賠責保険で補償される範囲

車の維持費やコストを比較する資料と電卓

自賠責保険は「交通事故の被害者を救済するための最低限の補償」を目的としているため、補償の範囲が明確に決まっています。

対象となるのは人身事故のみであり、車両や建物などの物損事故は一切補償されません。

対人事故のみが対象

自賠責保険が支払われるのは、他人を死傷させてしまった場合に限られます。
たとえば、歩行者や自転車との接触事故、追突による相手方ドライバーのケガなどが該当します。

一方で、以下のようなケースは自賠責保険では補償されません。

  • 自分自身のケガ(運転者・同乗者)
  • 自分の車の修理費
  • ガードレールやフェンスなどの物損

このように、自賠責保険はあくまで「人身被害に限定した補償」であり、物的損害をカバーするには任意保険の加入が必要です。

補償金額の上限(死亡・後遺障害・傷害)

自賠責保険で支払われる金額には上限があり、事故の結果によって異なります。2025年時点の基準は以下の通りです。

事故の区分補償上限額主な内容
死亡事故最大3,000万円葬儀費用、逸失利益、慰謝料など
後遺障害最大4,000万円障害の等級に応じた慰謝料・介護費用
傷害(けが)最大120万円治療費、通院交通費、休業補償など

これらの金額はあくまで上限であり、実際に支払われる額は事故の状況や損害の程度によって変動します。

また、自賠責保険では過失割合に関係なく被害者救済を優先して支払われるため、被害者側が一部過失を負う場合でも補償を受けられる仕組みになっています。

ただし、自賠責保険だけでは賠償しきれないケースも多く、死亡事故や後遺障害では数千万円単位の不足が生じることもあります。

この不足分をカバーするのが「任意保険」であり、両者をセットで考えることが大切です。

自賠責保険の保険料と加入期間

車のミニチュアと自動車関連の書類やお金を並べたイメージ写真

自賠責保険の保険料は、国が一律で定めているため、どの保険会社で加入しても金額は同じです。
つまり「どこで契約しても保険料が変わらない」のが特徴です。

また、自賠責保険の加入期間は通常「車検の有効期間」と一致しており、車検時に自動的に更新するのが一般的です。
ここでは、車種ごとの保険料目安と、加入・更新の流れを解説します。

車種別の保険料目安

自賠責保険の保険料は、車種や使用目的(自家用・営業用など)によって異なります。
以下は2025年時点での代表的な目安金額です。

車種区分契約期間(24か月)保険料の目安
自家用乗用車(普通車・小型車)24か月約17,650円
軽自動車24か月約17,540円
バイク(125cc超)24か月約9,270円
原付(125cc以下)24か月約7,070円

このように、自賠責保険は車種によって保険料が変わりますが、軽自動車と普通車の差は比較的小さいのが特徴です。一方で、原付・バイクはかなり安く設定されており、2年で1万円を切る金額で加入できます。

車検との関係と更新のタイミング

自賠責保険は「車検時に加入・更新する」のが基本です。

車検の有効期間に合わせて、通常は24か月または25か月契約を結びます(25か月の場合、車検切れを防ぐための余裕期間を含む)。

車検を受ける際には、有効な自賠責保険証明書が必要です。
もし期限が切れている場合は、車検を通すことができませんので注意しましょう。

加入・更新はディーラーや整備工場のほか、保険会社・郵便局・自動車共済などでも手続きが可能です。
いずれも保険料は同額ですが、更新を忘れないようにするには、車検と同時に更新するのがもっとも確実です。

なお、車検のない原付バイクなどは自分で更新手続きを行う必要があります。
ステッカーの期限を確認し、期限前にコンビニや郵便局で手続きを済ませておくと安心です。

任意保険との違い

AとBを比較するイメージを示したアイキャッチ画像。シンプルな木目背景にカラフルなブロックでA・B・比較の文字が並んでいる。

自賠責保険と任意保険は、どちらも自動車事故の補償を目的とした保険ですが、その性質や補償範囲には大きな違いがあります。

簡単に言えば、自賠責保険は“最低限の補償”、任意保険は“実際に必要な補償”をカバーするためのものです。

自賠責保険ではカバーできない部分

自賠責保険は人身事故のみを対象とし、相手のケガや死亡による損害を上限額まで補償します。
しかし、実際の交通事故ではそれだけでは済まないケースが多く、以下のような場面では自賠責保険だけでは不十分です。

  • 相手方の治療費・慰謝料が上限(最大3,000万〜4,000万円)を超える場合
  • 自分のケガ(運転者・同乗者)に対する補償がない
  • 車や建物など物損事故に対する補償がない
  • 相手車両の修理費・休業補償などが発生した場合

たとえば、死亡事故や後遺障害を伴う重大事故では、実際の賠償額が1億円を超えることも珍しくありません。

自賠責保険だけでは賠償金をまかないきれないため、その差額を支払う責任が加害者に発生します。

任意保険に入るメリット

任意保険は、こうした自賠責保険でカバーできない部分を補うために加入する保険です。
補償内容を自由に選べるのが特徴で、主な補償項目は次の通りです。

  • 対人賠償保険: 自賠責の上限を超える部分を補償
  • 対物賠償保険: 相手の車や建物などへの損害を補償
  • 人身傷害保険: 自分や同乗者のケガを補償
  • 車両保険: 自分の車の修理費を補償

また、任意保険にはロードサービスや弁護士費用特約など、事故時のサポートを強化できるオプションも豊富に用意されています。

保険会社によっては、事故対応専任チームが24時間体制でサポートしてくれるケースもあります。

自賠責保険は“最低限の義務”、任意保険は“安心のための備え”と考えると分かりやすいでしょう。
もしものときに自分や家族を守るためにも、任意保険の加入は実質的に必須といえます。

自賠責保険が切れたらどうなる?

注意の文字を指差しているイメージ 注意点やデメリットを説明する場面で使用

自賠責保険は法律で加入が義務づけられているため、万が一期限が切れた状態で車を運転すると「無保険運転」となり、厳しい罰則の対象となります。

うっかり更新を忘れていた場合でも言い訳は通らず、違反として処理されますので注意が必要です。

罰則と無保険運転のリスク

自賠責保険が切れたまま運転した場合、次のような罰則が科せられます。

  • 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 違反点数6点で即免停(免許停止処分)

さらに、事故を起こしてしまった場合には、すべての損害を自己負担しなければなりません。
被害者への賠償金が数千万円、場合によっては1億円を超えることもあり、人生を左右する重大なリスクにつながります。

また、自賠責が切れていると車検も受けられないため、結果的に「車検切れ+自賠責切れ」のダブル違反となり、罰則がさらに重くなります。

うっかり切らさないための対策

自賠責保険は「車検とセットで更新する」のが基本です。車検を受けるタイミングで自動的に更新されるため、車検付きの車であれば切れる心配はほとんどありません。

ただし、原付バイクや車検のない軽二輪などは、所有者が自分で更新手続きを行う必要があります。
更新を忘れないための工夫としては、以下のような方法がおすすめです。

  • 保険証明書やステッカーの有効期限をスマホのカレンダーに登録しておく
  • コンビニ・郵便局など更新可能な場所をメモしておく
  • 次回満期日が近づいたらリマインダー通知を設定する

また、保険の満期日が近づくとハガキやメールで通知が届く場合もありますので、届いたらすぐに確認し、早めに手続きを済ませましょう。

たとえ1日でも期限が切れると「無保険状態」となってしまいます。
特にバイクユーザーの方は注意して、確実に更新を行うようにしましょう。

まとめ

まとめと書かれた付箋をノートパソコンに貼った画像

自賠責保険は、交通事故の被害者を救済するために国が義務づけている「最低限の補償制度」です。

人身事故のみを対象とし、物損や自分自身のケガは補償されませんが、被害者が適切な治療を受けられるようにするための重要な仕組みです。

主なポイントをあらためて整理すると、以下の通りです。

  • 自賠責保険はすべての車・バイクで加入が義務
  • 補償範囲は人身事故のみ(物損は対象外)
  • 補償上限は死亡3,000万円・後遺障害4,000万円・傷害120万円
  • 保険料はどこで契約しても同じ
  • 車検時に24か月または25か月契約で更新するのが基本
  • 無保険運転は懲役・罰金・免停など厳しい罰則がある

このように、自賠責保険は「最低限の補償」しかカバーしないため、実際の事故では補償額が足りないケースが多くあります。

そのため、任意保険とセットで加入して初めて“本当の安心”が得られるといえるでしょう。

車を安全に、そして安心して運転するために、自賠責保険の仕組みをしっかり理解し、期限切れのないよう管理しておくことが大切です。

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